お位牌あれこれ
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仏具として身近なお位牌についてあれこれ調べてみました。
発祥はかなり古いのですが、江戸時代に一般化したようですね。
位牌という名前のいわれ
「牌(はい)」は書付のある札という意味です。
「位」は後漢(25~220)時代の中国で葬送儀礼の折、故人の功績(官位)を姓名と同時に書き記して祀ったことをはじめとします。
日本に伝わったのは鎌倉時代とされており、故人の御霊(みたま)の拠り所であると同時に、そのかたちは卒塔婆(そとうば)を模したものであると考えられています。
ちなみに卒塔婆はインドの古い言葉で「塔」(ストゥーパ)を意味しています。お釈迦様のお骨を塔に収めて供養した故事にならって、故人を供養するために建てる塔を模した板のことです。
位牌の数え方は「柱」といって「一柱(ひとはしら)」「二柱(ふたはしら)」と数えます。
古事記では神様を柱と数える神道の風習によるのだそうです。
御遺骨などもそうですね。
墓石や卒塔婆と同様に一基(いっき)、二基(にき)という数え方もあります。

生前につくる位牌
お位牌のもともとの意味は死後に故人の功績(位)を讃えたものであるということから、お亡くなりになったあと戒名を受けて、葬送儀礼を営むときにつくることが通例です。順修牌(じゅんしゅうはい)とお呼びします。
生前にお戒名を受けて、その戒名を刻んでつくるお位牌もあります。逆修牌(ぎゃくしゅうはい)とお呼びします。
ちなみに「地蔵菩薩本願経」巻下には、生前に自身の死後の冥福を祈ることは死後に行われるより効果が高いということが説かれているそうです。
死後の逆なので「生前」に(追善供養を修める)ということで逆修と呼びます。のちに逆修された、つまり「生前に受けたお戒名」を赤字で位牌に記し、死後に赤文字を取り除くという風習ができあがったといいます。
このお位牌のことを寿牌(じゅはい)といいます。平安時代から貴族の間で盛んになったといわれます。生存中にも高い効果があり逆修すると長生きをするといわれることもありますね。そのあたりから長寿の寿をとって寿牌なのかもしれません。
心風舎の永代供養プランでは、生前の戒名授与を伴うプランもございます。
くわしくはこちらをご覧ください。
白木の位牌
一都三県では御葬儀に臨むときにおつくりする仮位牌、いわゆる白木の位牌は一つが普通です。
もう一つ野位牌といって火葬後に墓所に持参し、埋葬したお墓にお供えされる葬具としての位牌があります。四十九日でお焚き上げされるものですが、野外に置かれる位牌ということで野位牌と呼ばれます。
たいして先ほどの自宅に仮安置する白木の位牌を内位牌と呼びます。一つしかなければ白木の位牌とか、仮位牌と呼べばいいのかもしれませんね。
野位牌は、内位牌より小型で飾りなどがあまりない簡素な仕様となっています。東京近辺であまり使用されないのは、火葬当日に埋葬する風習がないので、四十九日まで墓所にお飾りすることがない、という地域性によるのでしょう。主に当日埋葬する地域で使われます。
内位牌には位牌紙といって蓮の花の台の印刷のある紙にお戒名を書いたものを貼る場合と、直接白木の位牌に筆書きする場合とが両方あります。ただ、野位牌はお墓に置いておきますので、位牌紙を貼ると雨で剥がれてしまいますので、墨書されるようです。
内位牌は、四十九日忌を過ぎて中陰壇といって火葬後に御葬儀屋さんが作ってくれます屋内の祭壇を片づけた後、お焚き上げされます。なるべく四十九日忌を営むときまでに本位牌をおつくりになっていただければよろしいのではないかとおもいます。
四十九日忌にお寺さんが本位牌の開眼供養を行ってくださった後、内位牌はお焚き上げのためにお預かりいただけるからです。
一部地域では白木の位牌を長く祀る地域もあるようですが、基本的には別の位牌に置き換えられる仮のものという考え方でよろしいかとおもいます。

四十九日までに本位牌が作れなかったら
御葬儀後兎角あわただしくやらなければならないことに忙殺されるということがあるでしょう。しばらく時間があると思っていたらあっという間に四十九日忌だったということも考えられます。
その場合は本位牌が完成するまではずっと仮位牌でお祀りしておいて、完成した後改めてお寺さんで開眼供養をしていただいて、仮位牌のお焚き上げをお願いするとよろしいかと思います。
完成した時点で、お寺さんにご相談してみましょう。
本位牌
御仏壇やその代わりとなる場所に恒久的に安置しておくためのお位牌で伝統的なものは黒の漆塗りのものに金の細工をほどこしたものです。塗り位牌と呼びます。
ほかにも黒檀、紫檀などの木の地色を生かした唐木位牌と呼ばれるものがあります。
最近では、クリスタルガラスを使用したものや新しい素材を使ったものが見受けられるようです。
その趣旨としては、長い間の安置に耐えるものであれば、素材、大きさなどはお好みでお祀りする場所に合わせたものでよろしいかとおもいます。
札位牌(板位牌)
よく見られるひとりまたは、二人のお戒名が書かれた位牌を札位牌(板位牌)と呼びます。お二人のものは夫婦位牌と呼ばれます。お戒名と亡くなった年月日を表側、行年(享年)と俗名を裏側に記したものが多いようです。表側お戒名のみのものもあります。
繰り出し位牌(繰出し位牌、繰出位牌)
太さのある箱状の位牌で、中に薄い板の位牌が複数はいっています。上部の画像のものが繰り出し位牌です。
板は薄板状のものに、墨書するものと、唐木位牌様の板に仏具屋さんによって機械彫刻されているものと二様あります。一枚に一人の戒名・俗名等を記します。板は自由に出し入れ可能なので祥月命日や月命日などに前面に繰り出してお参りします。
位牌の数が多くなるとともに仏壇が小型になったことに伴い、明治時代以降に考案されたものとのことです。
繰り出し位牌の薄板は、小さく筆で書くのがむづかしいようです。
唐木位牌のような素材の薄板に彫刻してもらうものは、拝見しましたが仕上がりがよい感じでした。仏具屋さんで実際に見てご検討されてはいかがでしょう。
繰り出し位牌の板も事前にお寺さんにお書きいただいておくなど四十九日忌までに用意をして置き、仮位牌と交換にお祀りできるように準備をしておきたいものです。
本位牌(繰り出し位牌を含む)
作成上の注意点
インターネット全盛の時代、お位牌のネット注文なども行われているようです。
仮位牌を写真に撮ってデータをお送りする、フォーマットに則って入力をして作ってもらうなど、サイトによっていろいろな方法がとられていることと思います。
そこで割りとあるのが完成したお位牌に誤字があるという問題です。
仮位牌を写真に撮って送った場合は、文字の判読がむづかしかったり、点がわかりづらかったりと、作る側のある種の思い込みなどでできたときに依頼者の思った通りのものができてこなかったということがあるようです。
例えばシンニュウの点が二つの場合、一つの場合など見づらく誤りやすい点です。旧漢字の表記も、年代によっては見たことのない文字だったりもします。
文字の入力も、単純な変換ミスがそのまま製品につながってしまうなどがありますので、一度校正をお願いするとよいのではないでしょうか。
原稿をデータやファックスでおくってもらって確認できたら、間違いは防げそうです。
間違った場合、作り直すのに2,3週間はかかるようです。四十九日忌に開眼をする、というスケジュールの場合、間に合わないということも考える必要があるでしょう。
仏具屋さんの店舗でおつくりする場合も、一度確認するのがよろしいでしょう。
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